LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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フランコ・ファジョーリ@ウィグモア・ホール

2014.09.24
アルゼンチン出身のフランコ・ファジョーリという名の歌手を知ったのは、こちらのブログで。

http://bonnjour.exblog.jp/18680818/

 このポストの中で書かれているファジョーリによる空前絶後のアリアをYTで観て、聴いて以来、なんとしても生の舞台を観たかった旬のカウンターテノール。

 最近、イギリスにおいて常に一人勝ち状態のロイヤル・オペラの様々な取り組みのおかげで、オペラは少数の人の為の、消滅して行く芸術と考える人は少なくなってきているように感じる。しかしながら、それによって、ファジョーリのように大陸で既に大いに活躍しているカウンターテノールが頻繁にロンドンに来てくれることにはつながっていない。上記の「アルタ・セルセ」も、イギリスだけは来なかった。

 で、9月21日、ウィグモア・ホールでのファジョーリのホール・デビュー、そしてロンドンでのソロ・リサイタル・デビューは待ちに待ったイヴェント。彼が歌っている間は、まさに、jaw droppingだった。既にブログにアップしている方のレポ。

http://ameblo.jp/peraperaopera/entry-11928757428.html

Franco Fagioli countertenor

Academia Montis Regalis


Vivaldi Concerto in A for strings and continuo RV 158

Porpora Se tu la reggi al volo from Ezio/Vorrei spiegar l'affanno from Semiramide

Vivaldi Concerto in F for oboe, strings and continuo RV 455

Porpora Torbido intorno al core from Meride e Selinunte/Già si desta la tempesta from Didone Abbandonata/Distillatevi o cieli from Il Verbo in Carne/Con alma intrepida from Meride e Seliunte



Vivaldi Sinfonia in G RV149

Porpora Non lasciar chi t'ama tanto from Vulcano

Vivaldi Cello Concerto in C minor RV401

Porpora Spesso di nubi cinto from Carlo il Calvo II


 ファジョーリが歌ったのは、ニコラ・ポルポラという作曲によるアリア。正直な所、ファジョーリを知るまでポルポラすら知らなかった僕にはそれぞれのアリアについて書ける知識は無い。が、ファジョーリが歌い始めると、「今、目の前、数メートルの舞台にいる男性は、一体何をしているのだろうか?」という混乱と、彼が体全体を使って生み出す至高の歌声に、ただただ、聞き惚れるだけ。ファジョーリ本人がとても楽しそうに歌っているのが、素晴らしい相乗効果を生み出していたと思う。

 圧巻は、本編最後のアリアの盛り上がり部分で、地声の低い部分から超高音まで一気にシームレスで歌い上げたとき。カウンターテノールをオペラ界のあだ花のように忌み嫌う人がいるようだが、あれほどのまでの技術を持ち、且つ自由自在に(の様に見えるが、日々の鍛錬のおかげにちがいない)に声を転がすのは普通の歌手ではできないだろう。あれほどの技術を目の当たりにすると、ディクションがどうのこうのというのが場違いのように思えてくる。

 ウィグモア・ホールではとても珍しいことに、本編最後のアリアが終わる数秒前に、会場中が大爆発。演奏が終わる前の拍手やブラヴォーは、普段なら、回りから注意を受けるだろうが、あの熱狂は、ファジョーリへの最高の賛辞。

 アンコールの一曲目の途中で、高音域でほんの少し声がかすれてしまったのは、ロンドン公演の前にも同じ内容でリサイタルをしたようなので、喉に疲れがたまり始めていたのかもしれない。しかし、アンコール2曲目では、軽やかなコロラチューラと美しい声で聴衆を圧倒。今回はチケットの売れ行きは8割程度だったようだが、次回があれば、完売は必至だろう。

 ファジョーリは来る11月、モーツァルトの「イドメネオ」でロイヤル・オペラでのデビューが決まっている。

http://www.roh.org.uk/people/franco-fagioli

 ちなみに、今シーズン前半のウィグモア・ホールのプログラムでは、大陸で活躍するカウンターテノールがかなりブッキングされている。12月には、ジャルスキィのランチ・タイム・リサイタルと、チェンチッチのリサイタルがある。彼らが出られるようなオペラの上演をロンドンでは望めないが、これからも頻繁にウィグモアには来て欲しい。プログ仲間の所の情報では、ルーマニア出身のサバドゥスという歌手も注目を集めているそうだ。

 普段は、ウィグモアではリーダー歌手のリサイタルを聴くことが多いので、ファジョーリのように全く異なる、しかも同じくらい素晴らしいリサイタルを聴けるのは、本当に幸運なこと。

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Comment

大成功のロンドン・ソロデビュー - レイネ

ファジョーリの歌唱は一度聴いたら忘れられないし、定期的に聴かないと禁断症状に陥るし、聴けば恍惚状態という、近来まれにみる大器を備えた歌手でしょう。その彼のロンドン・ソロデビューですから、皆様手ぐすね引いていたかと思います。期待を裏切らないコンサートだったようでうれしいです。
彼と同様にテクニックもあり美しいメゾのような声の若手CTとして、ヴァラー・サバドゥス君に注目しています。ドイツやフランスでは大活躍してるんですが。彼の歌唱もお聞きになってください。新世代CTの実力にしばし呆然となることと思います。
2014.09.24 Wed 16:23 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

至福の時、だったことでしょうね!
アルタセルセを、こちらと、レイネさんのお話とで知る機会を得られて、DVDだけどもホントに引き込まれる世界に私も恍惚となりましたもの。

ロンドンには来ない(呼ばれない)だろうと、需要が少ないだろうというようなことを、前に守屋さん書かれてたと思いますが、意外に(?)早く実現したんですね!
2014.09.24 Wed 16:37 URL [ Edit ]

- 守屋

レイネ さん

 期待を遥かに超えるリサイタルでした。やはり、生で聴けると、彼の実力をしっかりと感じることができました。

 ウィグモアには、キャンセルしがちなわがままで勘違いしている中堅歌手よりも、ファジョーリやサバドゥスのように伸び盛り、且つ素晴らしい実力のある歌手をどんどん呼んで欲しいです。
2014.09.26 Fri 05:29 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 もう、至福以上でした。ファジョーリがどのように体調管理、スケジュール管理をしているのか判りませんが、できるだけ今の状態で長く活躍して欲しいです。

>需要が少ないだろうというようなこと
 ロンドンはまだまだです。この、ファンの間では「伝説」になるであろうファジョーリのロンドン・ソロ・デビューのレヴューが、全国新聞紙にまだでていません。もう、でないだろうと思います。会場では、オペラ・クリティクの姿をみかけませんでしたから。
2014.09.26 Fri 05:37 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

そんなもん、なんですか?
いよいよ!って、手ぐすね引いてクリティクが待ち構えてる世界か、と!
なんでなんだろうなあ。
2014.09.26 Fri 20:39 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 例えばガーディアンには、少なくとも4人、オペラや今回のようなリサイタルのレヴューを書く批評家がいます。日曜日に働きたくなかったのか、それとも予定していたクリティクが体調不良になってしまったのかなとも考えられます。でも、4人もいるうちの一人も書かないというのが、イギリスの現状だと思います。
2014.09.27 Sat 06:32 URL [ Edit ]

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