LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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アルチーナ@バービカン・ホール

2014.10.12
スクリーンショット 2014-10-11 19.32.43
(10月10日、タイトル・ロールを歌ったジョイス・ディドナート。自分としては、会心の一枚)

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157648564580646/

10月10日、バービカン・ホールでヘンデルのオペラ、「アルチーナ」を。これは、今シーズン、バービカンのアーティスト・レジデンスであるアメリカ人メゾ・ソプラノ歌手、ジョイス・ディドナートによるプログラムの一つ。

The English Concert / Handel Alcina
Joyce DiDonato Artist Spotlight
10 October 2014

http://www.barbican.org.uk/music/event-detail.asp?ID=15889

Joyce DiDonato joins the English Concert in one of her greatest roles, the sorceress Alcina, in this concert performance of Handel’s opera.

Alcina is a sorcereress. She’s also one of Handel’s most complex and fascinating anti-heroines – the undisputed star of this hit of the 1735 London season – and with her brilliant coloratura, Joyce DiDonato is Alcina’s ideal modern interpreter.

There’s a good reason why Handel’s Alcina was amongst the first of his operas to be rediscovered. Written for Covent Garden, it has a compelling plot and richly-drawn characters, prime amongst them the enchantress Alcina herself. Joyce DiDonato’s 2009 recording of the role for Archiv saw her described by Gramophone as “The Alcina we’ve been waiting for…a complex, feminine creature, vain and vindictive”. This second concert of her Artist Spotlight teams her with the English Concert under Harry Bicket and a first-rate ensemble cast that includes the British mezzo Alice Coote.
Programme & Performers

Handel Alcina

English Concert
Harry Bicket director/harpsichord
Joyce DiDonato Alcina
Alice Coote Ruggiero
Anna Christy Morgana
Christine Rice Bradamante
Ben Johnson Oronte
Wojtek Gierlach Melisso
Anna Devin Oberto

 物語は、魔女のアルチーナの魔法によって彼女の虜になっているルッジェーロを、彼の婚約者のブラダマンテが取り戻しにきて、最後はアルチーナの魔法が効力を失う、というもの。ネットで見つけた解説。

http://homepage3.nifty.com/classic-air/database/handel/alcina_syp.html

 荒唐無稽といえばそれまでだが、現代にも通じるように思う。例えるなら、力を失いつつあるかつての権力者が最後の力を振り絞って「若い力」を引き止めようとしたけど、結局、老兵は去るのみの結果に終わる、と。

 オロンテを歌ったイギリス人、ベン・ジョンソンもそれなりによかったのだが、他の歌手の皆さんによる並外れた歌唱、そしてコンサート形式でありながら情感たっぷりの演技で、4時間になろうとする上演時間だったが、素晴らしい舞台。

 もちろん、ジョイス・ディドナートを聴きたいと言うのが最大の購入理由。しかし彼女の他に、現在のイギリス・オペラ界を代表する3大イギリス人メゾ・ソプラノから二人が同じ舞台に。つまり、主要3役が、旬のメゾ・ソプラノ歌手によって歌われるというけっこう稀な舞台であった(もう一人はサラ・コノリィ)。

 ヴィヴィアン・ウェストウッドによるクチュール・ドレスをまとったディドナート。色が地味系だったことと、第1幕では着ていたボレロが、特に肩を強調した甲冑みたいでなんだかなという印象が強かった。が、2幕以降はそのボレロなしで迫真の歌、演技。「座長」という気負いも少し感じたが、彼女の声は、他の歌手も好調でありながら、更にその上を行くような感じ。まるで、声が色を伴って会場中を満たすような印象を強くした。

 ルッジェーロは、アリス・クーツ。1週間前にイングリッシュ・ナショナル・オペラで、同じくヘンデルによる「XERXES」のタイトル・ロールで円熟の歌唱だったので期待していた。ディドナートを引き立てる為にわざと選んだのかと邪推してしまった体型にまったく合っていない衣装をのぞけば、リサイタルよりもオペラでもっと彼女の歌を聴きたいなと。

 ブラダマンテを歌ったクリスティーン・ライスは、先週のタイムズに掲載されたインタヴューによると、2013年は深刻な体調不良に見舞われていたそう。舞台に立つ彼女は以前よりやや細くなり、髪の毛も優等生的な縦ロールからグラマラスなウェイヴィになり、オペラ歌手としての華やかさがました印象を持った。彼女が歌うアリアには超絶技巧が要求されるものではないように感じたが、バロック・オペラもこんなに巧く歌えるんだとちょっと吃驚。

 アルチーナの妹役はアナ・クリスティ。コンサート形式だからだろう、妊娠7ヶ月、もしくは8ヶ月くらいのようだったが、最後まで疲れを見せることなく。第一幕最後にある、彼女の最大の見せ場のアリアでは大喝采を浴びた。

 今回の主要3人は、それぞれロイヤル・オペラの舞台でも観ている。ディドナートのロイヤル・オペラでのデビューはヤナーチェクの「カニング・リトル・ヴィクセン」での脇役。その時の主役はドーン・アップショウ。

 ロイヤル・オペラの「サンドリヨン」で既に競演をしているディドナートとクーツ。僕はその舞台は観ていないが、クーツが「ナクソス島のアリアドネ」に出演した時の印象がよみがえってきたのは、現在のプロダクションの再演の際、ライスが同じ役だったから。そしてそのときライスは、今回のクリスティのように妊娠中で、舞台を観ながらハラハラしていたことを思い出した。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-313.html

 演奏は、先週の「ポッペアの戴冠」に比べるとオーケストラの人数が多くて、華やかさが数倍。そんな中、テオルベ奏者は先週と同じ男性。この方、2013年2月、ウィグモア・ホールでのイェスティン・デイヴィースのリサイタルでも弾いていました。

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/8513391551/

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1891.html

 イギリスにはこの人しかいないのかと思ってしまう。最後にテレグラフのレヴューと、ディドナートへのインタヴュー(2013年)。

Alcina, Barbican, review: 'Joyce DiDonato is perfect'
http://www.telegraph.co.uk/culture/11156372/Alcina-Barbican-review-Joyce-DiDonato-is-perfect.html

Joyce DiDonato: 'Stop selling opera by dumbing it down'
http://www.telegraph.co.uk/culture/music/classicalmusic/10245140/Joyce-DiDonato-Stop-selling-opera-by-dumbing-it-down.html

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