LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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瀬戸内海・四国、美術館巡り3:直島、地中美術館

2014.10.29
直島に到達した日は日曜日なので、午後早い時間に着いていたら地中美術館を見学する時間はあったはず。が、その日は奈義町現代美術館に弾丸訪問した(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2314.html)ので、直島へは高松発の最後のフェリーで全く間に合わず。

 明くる月曜日は、ベネッセ美術館を除いて、直島の他の美術館が休館日だったので、犬島http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2314.html)、そして豊島http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2335.html)へ。

 明くる火曜日、やっと地中美術館へ。

http://www.benesse-artsite.jp/chichu/index.html

http://setouchi-artfest.jp/artwork/a015

Chichu.jpg

 まずここまで到達するまでに、どうして美術館にこんなに入館料を払わなければならないんだ!、と言う気分が高まっていたので、美術館の展示品のことなど何一つ知らないまま訪れた時は、入場券を購入して、美術館本館へは更にまた歩くのかよと少しばかりげんなりした。途中の花々。

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157646696760904/

 写真撮影できないのは良いとして、美術館に入ってから気づいたことは、「何をこれから観ることになるのだろう?」。

 館内の案内を開き、まず、クロード・モネの「睡蓮」が展示されている部屋へ向かった。入り口でスリッパに履き替えることを言われ、更に入場制限をしていることに一気に気分は奈落へ。どうしてこんなに注文が多いんだ!!!

 更に拙かったのは、展示室に入ってすぐ、壁に軽くもたれかかってしまった他の方に女性係員が、とても丁寧に、でもはっきりと「この部屋自体が展示の一部なので、壁にも触れないでください」と。

 モネの絵を若い頃に観たときは、単に美しいと思った。今でも、モネの若い頃の絵は好きだ。が、特に晩年に描かれた「睡蓮」には全く心が動かない。なぜなら、眼鏡を外して見える僕の視界を、どうしてまた眼鏡をかけてまで観なければならないのかと思ってしまうからだ。そんな気分があるから、「睡蓮」が部屋に完全に負けているような印象しか持てなかった。

 休館日の翌日ということで、開館直後から美術館はかなり混雑した状態だった。場の雰囲気を悟ったとしか思えない、大きな声で泣き続ける乳児連れの家族や、今、日本とは仲が悪いらしいある国からの団体の皆さんの大声で、地下にあるショッピング・モールを歩いているのかと思うほどの騒々しさ。

 そんな沈んだ気分で向かったのは、ウォルター・デ・マリアという方の作品がある部屋。入り口で、また、待たされた。ここを観終わったらもう出ようかな思いながら部屋に入った途端、脳みそをビロードで覆われた手で鷲掴みされたようだった。

WDMaria1.jpg

WDMaria2.png

 この部屋で暮らしたい、そう思った。混雑していたので無理だとは判っていたが、できればこの空間にいるのは自分一人だけという気分を味わいたくてゆっくりと部屋を一周した。

 気分が上向いてきたので、美術館の奥まった所にある部屋に向かう。またもや長蛇の列。更に、一度に入れるのは8人までとのことで、午後にまた来ればいいやと投げやりな気分でカフェへ。一息ついてから向かうと列が短くなっていたので並ぶ。それでも、順番がくるまで15分以上はかかっただろうか。

 スリッパに履き替えて通されたのはかなり小さな空間。壁に向かって階段が設置されていて、階段が終わる場所の壁には、周囲より明るい色の長方形が描かれているだけ。

JamesT.jpg

 どうしてこんな壁を観るだけなのこれほどの制約があるんだと心の中で文句を言っていると、係の方が階段を登ってくださいという。言われるまま登り、長方形の場所まで来ると、「どうぞ、中にお進みください」。

 そこにいた8人全員が、「えっ?!、この中に入れるの?!」という感じだった。足を踏み入れる刹那の怖いような、期待感のような気分をどう表現すればいいのか。

JamesT2.jpg
(写真撮影は禁止だけど、撮っている人がいる、と。僕じゃないですよ)

 作品は、James Turrellによるオープン・フィールド。感激ではない。この、これまでに体験したことのない、自分の足がどこを歩いているのか判らないような感覚をどう表現すれば良いのだろうという静かな興奮が体を満たすのを感じた。自分の芸術体験って、まだまだ未踏の領域がどこまでも広がっているのを考えながら、この閉じられた空間の広がりを感じていた。

 いったん外に出て、のんびり歩いて本村(もとむら)方面へ。途中、巨大なゴミ箱があった。

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/15219551311/

 本村へ行ったのは、家プロジェクトを観ようかと。しかし、小さなエリアとはいえ、そこかしこに点在する家を探すがのが面倒くさくなり、これはやめ。軽食をとってから再び地中美術館へ。

 ベネッセ・ハウス・ホテルの宿泊客には特典がある。チェック・アウトする日を地中美術館の入場券にホテルの受付で記載してもらえれば、何度でも入場が可能。

 午後に行くと、午前中の喧噪はおさまり、それでも入館者は引きも切らず。モネの部屋へは行く気はなかったが、デ・マリアとオープン・フィールドには入り浸った。何度目の時だろう、他の人が躊躇している時に光のその先へ一歩を踏み出したとき背後から、「えーっ?!、入れるんだ!」という驚きの声を聞いた時、優越感に浸ってしまった。満足。制約が多いのは見せ方があるから仕方ないだろうと理解できるが、繁忙期は大変だろうと思った。

 ホテルで伺った話だと、2013年の瀬戸内トリエンナーレの時は、入場整理権を入手できても観られない人がでることが頻繁に有ったそうだ。地中美術館を観たいのであれば、繁忙期や火曜日は避けた方が良いのではと思う。

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Comment

- かんとく

へえ~、こんな美術館があるんですね。行ってみたいです。
2014.11.02 Sun 11:48 URL [ Edit ]

- 守屋

かんとく さん

 日本よりも、海外でよく知られているような印象です。宿泊したホテルでも、3割くらいは海外からの観光客でした。
 
 行かれる時には、のんびり回ってみてください。ロンドンや東京の著名な美術館等での体験とはかなり違うと思います。
2014.11.02 Sun 16:42 URL [ Edit ]

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