LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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ロンドンでは、イギリス人に会えない

2015.01.04
現在、住んでいるフラットの大家は、彼の友人達を驚かせるあることをたまにする。それは、馴染みのカフェ等で新しく働き始めた非イギリス人と話して意気投合すると、「夕食を食べにおいでよ」と誘うこと。これまで数回経験して来て言えることは、大家に何らかの下心は決して無い。大家としては、ロンドンで必死に働く移民を彼なりに、しかし周囲が退いてしまうやり方で労いたいのだろうと思っている。ただ、「誰それ?」、「オフィスのそばのカフェで数ヶ月前から働いている○○人」、と言うのは何度経験しても、早計なことをしているのではと思うのも事実。

 元日の夜、大家が彼のオフィスのそばのカフェ(日本にも進出しているブランド)で「親しくなった」ドイツ人ウェイターと彼の「パートナー」を夕食に招待したからできれば参加して欲しいのだけどとの誘い。元日の夜に外で時間をつぶせる場所なんてほとんどないので承諾したが、何を話せば良いのだろうと煩悶。

 時間通りに到着したドイツ人のLと、彼のアルゼンチン出身の同性婚配偶者のP。そんなことをロンドンで驚いていたらきりがないが、こんな若い人たちとどんな話題で場をつなげばとの不安が高まるし、何より、彼らがどのような期待で夕食に来たのか?
 
 自己紹介をして、相手の出方を探るような応酬は直ぐに終わった。なぜなら、LとPは、よほどの犯罪者でなければだが、人の話を偏見なしで受け止める聞き上手、そして話し上手。

 話し始めて数分の所で、話が進む前に伝えたいことがあるんだけどと三人に言う。

 「L and P, please accept my apology, but when my landlord told me he invited you both tonight, I was seriously wondering whether those unknown people are OK or not. But, I've already been enjoying our conversation. It is nice to meet you」。

 ドイツの文化が好きだと言いながら未だにドイツ本土に行ったことが無い僕にとって、Lとの共通の話題を見つけるのは簡単だった。それは音楽。つい最近、ガーディアンのレヴューで、80年代に訳も判らず聴いていたドイツのインダストリアル・パンク・バンド、Einstürzende Neubauten(アインシュトゥルツェンデ・ノイバウテン)が新譜を出したのを知っていたので、「知っている?」と訊いた。

Einstürzende Neubauten: Lament review – the weirdest first world war commemoration of all
http://www.theguardian.com/music/2014/dec/04/einsturzende-neubauten-lament-review-first-world-war

 そこから、ニナ・ハーゲンとかネーナにまで話が弾んだ。驚いたことに、ネーナは数年前にドイツ国内で大ヒットを飛ばしたそうだ。Lは僕よりずっと若く、僕が名を挙げたミュージシャンの80年代の活躍を直接には知らない。僕にとっては、自分の昔を肯定できる話ができて嬉しかった。

 Lの話を聞くと、随分と世界を回っている。逆に、ドイツにはほとんど帰っていないことが判った。いずれドイツに戻る気はあるのかを訊くと、「戻らないよ。ドイツ、嫌いなんだ。My twin brother loves Germany, but I don't like it」。

 Lと話していて改めて判ったのは、日本のアニメイションの影響。ドイツでは、「南の島のルーシー」、「赤毛のアン」、そして「母を尋ねて三千里」が放映されたそう。それらのアニメイションがどれほど楽しかったかを嬉しそうに話すL。

 アルゼンチン出身の人と話すのは初めてだった。僕よりふた回り若いPは、専門職でロンドンで働いている。どのような流れで質問したのかは既に思い出せないが、Pにアルゼンチンにも日本からの移民は居たのかを尋ねた。彼も直接、日系移民の皆さんにあったことは無いそうだが、特に第二次大戦中は、パタゴニア北部に日本からの移民の皆さんは安全の為に移動したらしいとのこと。

 パタゴニアのことがでたので、この話をしてみた。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1034.html

 驚いたようだが、彼にとって、パタゴニアとウェイルズの間にこんな歴史を聞くことは無かったとの返事に、逆に僕の方も驚いた。

 LとP曰く、パタゴニアでは鉄道網が発達していないので、移動手段は長距離バスがメインになると。不服そうな表情をしたのだろう、すかさずLが、「飛行機のファースト・クラス並みの快適さだから心配する必要は無いよ」。

 二人がロンドンに移動して来たのは3年前とのこと。クリスマス前に読んだある記事が気になっていたので、二人に訊いてみた。「イギリス人とあったことある?」。

 即座に二人から、「イギリス人に会うことはほとんどないよ」、と。

My first Christmas in the UK
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2014/dec/20/-sp-my-first-christmas-in-the-uk

 この記事の二組目、オーストラリアからのカップルは、記事から察するにとてもプロフェッショナルな仕事にロンドンで就いているようだ。にもかかわらず、イギリス人に会うことは多くないらしい。

 ロンドンだけなのかは判らないが、特にロンドンでは、イギリス人に遭遇することは外国人にとってはほとんど稀なことになって来ているように思う。それが良いことなのか悪いことなのかを断じるつもりは毛頭ない。が、僕がロンドンに移動して来てたった十数年だが、ロンドンの変わりようは凄まじいと思う。

 LとPに再び会うかどうかはまだ判らないが、ロンドンらしい元日を過ごせたなと思う。

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Comment

- ハマちゃん

私は、当地ではなかなかスコットランド人と交遊する機会がホントに無かったです。
ただ、ロンドンと違い、スコットランド人を見ないというのではなく、むしろスコットランド人「だらけ」ですが
個人的な会話をする関係、約束して一緒に出掛けたり家に招き合ったりする関係、になるのは

とにかくイングランド人ばかり。当地では。

イングランド人と出会いたければスコットランドに来い!って感じです。(笑)

双子の兄弟で、片方は祖国を愛していて、片方は祖国が嫌いで戻る気はない、って、切ないですね。
自分の子供達がそうなったらと考えると、なんだか切ない。

ところで、昨夜面白い番組を見ました。
BBCで、Rich, Russian and Living in Londonというドキュメンタリー。
ロンドンのロシア人が、イギリス人をどう見ているかという、カルチャーギャップの側面からのコメントの数々が実に面白かったです。
そのコメントを聴いて、私が何故東欧人の無愛想なアプローチが好きなのか、ちょっとヒントが得られた気がしました。
2015.01.06 Tue 10:15 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 番組を観ていないですが、僕個人のロンドンでたまに遭遇するロシア人の皆さんの態度は、「どうして、そこまで高飛車な態度な訳? Who do you think you are?」です。

 僕は大家がイギリス人なので、恵まれている、というか僕が個人的に知りたいイギリスのことを知る機会が多くて幸運だなと思います。

 Twinsにもいろいろあるでしょうから。Lによると、monozygotic twinsでよく似ているけど、考え方や行動はかなり違うらしいです。
2015.01.07 Wed 16:18 URL [ Edit ]

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