LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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フランスのテロから考えること

2015.01.11
Chris-Riddell-11012015-010.jpg
(2015年1月11日、オブザーヴァ紙より拝借)

Charlie Hebdo outrage: Marianne defies the killers
http://www.theguardian.com/commentisfree/cartoon/2015/jan/11/charlie-hebdo-attack-freedom-of-speech

今週、パリで起きた虐殺のことを脈絡無く書く前に、僕の立ち位置は、宗教という幻想・ファンタジィが人をまどわすことが無くなること。

 今回のテロリズムの報道を読んで、これまで知らなかったフランスのことを知った。タイムズの報道によると、フランスでは歴史的に、ユダヤ人への偏見・差別があると。また現代では、主に北アフリカ圏内のイスラム教徒の移民からの敵対意識もある。と言う点を読んで、コーシャ(ユダヤ教徒の食材)を扱うスーパーが標的になった理由が理解できた。

 本当に偶然だが、このユダヤという点においてシンクロする点がある。もちろん本人には全く関係ないが、数年前、パリで反ユダヤ発言をしてファッション界から姿を消したジョン・ガリアーノの本格復活がもうすぐロンドンである。

 今回の報道の当初から、イギリスのメディアは今回のテロを「戦争」として扱ってはならないと主張する。たくさんの報道を読んで、僕自身、これは「宗教」という思想を翻弄して、単に人を殺したかった狂乱者の許されざる犯罪だと思う。

 標的になった風刺雑誌については何も知らない。が、報道から判断するに、彼らが標的にして来たのはイスラムだけではない。今回のテロの直前、雑誌が表紙に取り上げたのは、フランス人作家、Michel Houellebecq。これまた偶然だが、この作家が最近発表したばかりの小説が扱うのは、2022年、フランスでイスラム主義の政権が発足するというもの。

Michel Houellebecq stops promotion of new novel after Charlie Hebdo attack
http://www.theguardian.com/books/2015/jan/09/michel-houellebecq-stops-promotion-novel-charlie-hebdo-attack

In the book, the Front National leader, Marine Le Pen, competes with the leader of the fictional Muslim Fraternity party, Mohammed Ben Abbes, for the presidency in 2022 at the end of Socialist president François Hollande’s disastrous second term.


Soumission by Michel Houellebecq review – much more than a satire on Islamism
http://www.theguardian.com/books/2015/jan/09/soumission-michel-houellebecq-review-charlie-hebdo


 日本でも遅れて報道されたように、殺害された12人のうちの一人、警察官はアルジェリア移民の家系出身。同じイスラムにもかかわらず、狂信者は彼を殺害。コーシャ・スーパーの従業員で、その場に居合わせた客をテロリストから逃す為に冷蔵室に誘導したのは、マリ出身のイスラム教徒の男性。この二つの状況からも、今回のテロの背景を簡単にまとめることは外国人にはほぼ不可能だと思う。

Lassana Bathily: the Paris kosher supermarket hero
http://www.theguardian.com/world/2015/jan/10/paris-supermarket-kosher-hero-attack

 アメリカ人の友人が、とても興味深い映像を教えてくれた。

Reza Aslan: "There Is A Civil War Taking Place" In Europe; France "Has Never Really Tolerated Multiculturalism"
http://www.realclearpolitics.com/video/2015/01/08/reza_aslan_there_is_a_civil_war_taking_place_in_europe_france_tolerated_multiculturalism.html

 このアスラン氏が言っているように、全てのイスラムがテロリストではない、ということは頭のある部分では理解できる。また、今回のような宗教がらみの虐殺は、イスラムだけがしている訳ではない。彼がたとえに挙げた、ビルマでのイスラム教徒の虐殺は仏教徒による。
 また、歴史を振り返れば、「神」という幻想のもと、キリスト教徒が虐殺した人々の数はどれほどになるのか僕には判らない。

 が、この状況において、イスラムへの言いようの無い不安感、そして不信感の増大は止めようが無い。サウディからの報道。

Saudi blogger receives first 50 lashes of sentence for 'insulting Islam'
http://www.theguardian.com/world/2015/jan/09/saudi-blogger-first-lashes-raif-badawi

 イスラムを冒涜した罪で、サウディのあるブロガーは、50回に分けて毎週、合計1000回のむち打ち刑を一般公開で受けることになった。人間の体って、そんなに強くない。傷が癒える前に更に50回、また50回、この男性は一般の場で国によって殺されるのではないだろうか。

 アスラン氏が言うように、「イスラム」とくくっても、国事情は違う。それは理解できた上で、イスラム国家への不信があるのは、イスラムという大きなくくりの中で自浄作用が全くされていないと思うから。ガーディアンを始めイギリスのメディアによると、イスラム国家は今回のテロへの避難を表明したそうだ。が、既にそのイスラムの中で亀裂が走っている。

Charlie Hebdo killings condemned by Arab states – but hailed online by extremists
http://www.theguardian.com/world/2015/jan/07/charlie-hebdo-killings-arab-states-jihadi-extremist-sympathisers-isis

 前述のサウディのむち打ちに対して、アメリカはかなり強硬な非難を表明したらしい。が、サウディは無視。これは僕の勝手な憶測だが、サウディは非難以上のことをアメリカができないことを判っているのだろう。なぜならアメリカがサウディからの金、もしくは上客としてのサウディを切り捨てることはできないだろうから。

 前述の友人に、アメリカ本土ではどれほど「イスラム」はvisibleなのか尋ねてみた。ニュー・ヨークのような大都市ですらスカーフをまとっている女性を見ることはそれほど無いし、何より、「君が住んでいる所と比べたら、アメリカでイスラムの人を見かけるのはまだずっと少ないよ」。

 欧米がイスラムを本気で非難するのであれば、例えば、カタールでの外国人移民労働者の犠牲なしには実現しないであろうワールド・カップへの不参加の表明を、今、すべきだ。でなければ、結局、欧米もこのテロへの責任を果たしていない。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2057.html

 どうして、2000年も前に居たらしい、もしかしたら存在しなかった可能性だってある何処の馬の骨だか判らない人物の戯言/妄言で、21世紀に暮らす僕たちの生活が脅かされるのか。これほど理不尽なことは無い。

What I do want to do for myself is to avoid being desensitised by the series of the insults to our dignity by terrorists.

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