LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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Modern Masters by ENB@サドラーズ・ウェルズ

2015.03.11
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http://www.sadlerswells.com/whats-on/2015/english-national-ballet/

昨晩、イングリッシュ・ナショナル・バレエがサドラーズ・ウェルズ劇場のアソシエイト・カンパニィになって初めての演目、「モダーン・マスターズ」を観てきました。まず、アソシエイト・カンパニィになった経緯から。

English National Ballet’s leap to Sadler’s Wells: Tamara Rojo deserves applause
http://www.theguardian.com/stage/dance-blog/2014/nov/04/english-national-ballet-sadlers-wells-tamara-rojo

 プログラムは、イリ・キリアンの「小さな死」、ジョン・ノイマイヤーの「スプリング・アンド・フォール」、そしてウィリアム・フォーサイスがパリ・オペラ座バレエに1987年に振付けた「In the middle, somewhat elevated」。

Modern Masters honours the work of three of the most influential choreographers of the 20th century: Jiří Kylián, John Neumeier and William Forsythe. Bold and galvanising, their choreographies are full of invention and energy, driven by music.

Jiří Kylián’s poetic Petite Mort features six men, six women, and six fencing foils, symbolising energy, silence and sexuality. Performed to the slow movements of two Mozart Piano Concerti, the foils slowly become dancing partners, as the brutality of everyday life is revealed.

Spring and Fall was created by Hamburg Ballet’s John Neumeier. Set to Dvořak’s Serenade for Strings in E Major, it is a work for two couples and corps de ballet and takes its narrative from the tension in the music. Spring and Fall is not in the repertoire of any other UK company.

With In the Middle, Somewhat Elevated, William Forsythe started a new school of choreography, deconstructing classical ballet. Set against a bare stage it is danced by nine individuals culminating in a fierce display of technical and physical wizardry.


 昨晩は初日ということで、パトロン・メンバーの為のレセプション(有料)がありました。サドラーズに着くと、会場はいつもの倍以上の参加者でごった返していて、担当者に訊いた所、サドラーズとENB共催でいつも以上に込んでいるとのことでした。

 開演前のスピーチで、サドラーズのスポルディング氏によると、イングリッシュ・ナショナル・バレエがサドラーズのアソシエイト・カンパニィになったのはひとえにタマラ・ロホの熱意によるとのこと。笑ったのは、「今夜上演される作品の振付家は、thank god, all of them are still alive」。

 スポルディング氏のあとにイングリッシュ・ナショナル・バレエのディレクターから今後の予定が話され、今年の9月に、2014年にバービカンで上演された「Lest we forgethttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2204.html)」の再演。2016年の春公演では全て女性振付家による新作の上演、そして2016年の秋にはアクラム・カーンによる「ジゼル」。これが最も楽しみですが、上演時期は発表されませんでした。
 
 開演前に最も楽しみにしていたのは、キリアンの作品。サドラーズ、イングリッシュ・ナショナル・バレエ双方がこの踊りのヴィデオをがんがん流していたので、この踊りが一番の話題なのかとも感じていました。これを初めて観たのはこのとき。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-47.html

 ギエムが踊ったのは、作品の最後にあるメイン・カップルによるパ・ド・ドゥであることは今回判った。ENBのダンサー達はよく踊れていたのですが、ギエムとル・リッシュの踊りから感じた「官能」という点は薄かったように思います。

 で、2番目に楽しみだったのが、ジョン・ノイマイヤー。彼の作品は、今回が初めて。理由の一つは、彼が40年以上も率いるハンブルク・バレエがロンドンには全く来ないから。世界中の名だたるバレエ団がこぞって取り上げる「椿姫」はロイヤル・バレエは上演したこともないです。

 「スプリング・アンド・フォール」は踊りとしてはあっさり目かなと。また、特に若いダンサーの皆さんがリハーサルが足りていないかな、と感じる場面がけっこうありました。しかし終わってみると、胸ぐらをつかまれるような衝撃はなかったものの、静かな清流が体に流れ込んで来るような踊りでした。

 で、最も期待していなかったフォーサイスが、結局は最も楽しめました。「イン・ザ・ミドル」を最初に観たのは、90年代に、ロイヤル・バレエかパリ・オペが来日公演に持って来たのが最初の邂逅のはず。その頃はまだバレエを観始めた頃で、全く予想していなかった舞台に驚くと同時に、「どうしてこんな訳の判らない踊りを観なければいけないんだ」との想いが交錯していたはず。

Elevated visions: how William Forsythe changed the face of dance
http://www.theguardian.com/stage/2015/mar/07/in-the-middle-somewhat-elevated-william-forsythe-dance

 ロンドンで初めて観たときはそれなりにモダン・バレエを経験していたので、ロイヤル・バレエによる舞台を楽しんだと記憶しています。しかし、ロイヤルが最後にこの作品を取り上げた時、舞台の印象がとてもぬるくて、「バレエ界に衝撃をもたらしたイン・ザ・ミドルも、21世紀ではもはや過去の作品なんだ」、と。このあと、10年以上、イン・ザ・ミドルを観る機会はありませんでした。

 目を奪われたのは、アリーナ・コジョカル。ロイヤル・バレエ時代、彼女がモダン・バレエを踊ったのはマックグレガーの「クローマ」しか思い浮かびません。なので、コジョカルにはあわないのではと思っていたのですが、素晴らしかったです。振り付けに関しては、「こんなにこざっぱりしていたかな?もっと予測不可能という雰囲気があったような」と。でも、この作品が作られてもうすぐ30年、という時代の流れを感じさせなかったのはダンサー達の努力でしょう。ある男性ダンサーが終わり近くなってかなり体力を消耗しているように見えたので、振り付け自体はとても難しい物であることを確認しました。レヴューも高評価です。

English National Ballet: Modern Masters review – Tamara Rojo’s triumphant triple bill
http://www.theguardian.com/stage/2015/mar/11/english-national-ballet-modern-masters-review

English National Ballet, Modern Masters, Sadler's Wells - ballet review
http://www.standard.co.uk/goingout/theatre/english-national-ballet-modern-masters-sadlers-wells--ballet-review-10100453.html

 プログラムはけっこう高いですが、3人の振付家の相関図が掲載されていて、バレエの歴史を別の視点から理解できるようになっています。

 終演後はレセプションの続き。会場には振付家のキム・ブランドストラップや、労働党の重鎮、ピーター・マンデルソン氏等が居ました。

 会場であった友人とサラダを食べながらスポルディング氏のスピーチを聴いているとき、ふと左を見たらタマラ・ロホがたっていました。舞台上ではぽっちゃりして見えるロホですが、実際は本当にスリム。「芸術監督」という立場をしっかり判った上でのスポーティなドレスにバレエ・ダンサーにあるまじきピンヒールでした。

 ロホはスピーチの中で、作品の上演を許可してくれた3人の振付家への熱い想い、感謝を話し始めました。まずはイリ・キリアン、そしてフォーサイス。最後にノイマイヤーでした。というのは、ノイマイヤーだけは舞台に出て来たので。

 ロホが、「John, where are you?」と呼びかけて「ここだよ」という声が聞こえたのは再び僕の左側。ふと見るとノイマイヤーがいて、そして彼と僕の間にたっていた小柄な女性はコジョカルでした。お願いして二人の写真。

スクリーンショット 2015-03-11 16.03.47
https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/16593529679/

 コジョカルが移動する前に、「イン・ザ・ミドルを踊るの初めてだったのではないですか?」と訊くと、その通りだと。踊ることができてとても嬉しかったそうです。ノイマイヤーには、「ハンブルク・バレエをロンドンに」と直訴すると、微笑みながら、「僕に頼まないで、彼(スポルディング氏)に頼まなければだね」と。

 会場で隣り合ったのは、The London Ballet Circleという団体のチェアを勤めているご婦人。

http://www.tlbc.org.uk/index.htm

 筋金入りのバレエ・ファンというのは世界中を回ってたくさんのバレエを観ているんだということを知りました。今年の夏、ロイヤル・オペラ・ハウスでは改修工事があり、恒例のロシア・バレエの公演はないそうです。変わりではないですが、オーストラリアのバレエ団がロンドン・デビューをするようです。

https://www.queenslandballet.com.au/articles/london-tour-2015

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