LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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観光客の視点から、3つの首都を比べる;ロンドン、東京、コペンハーゲン

2016.01.26
慌ただしかった里帰りから戻ってふと気づいこと。ロンドンで暮らしているからそれほど難しくないことではあるけれども、昨年2月から今月まで、欧州の幾つかの国の首都、そして東京を駆け足とはいえ体験したのだなと。最近どこかの情報サイトで、旅の記録は書かない方が良いということを読んだ。しかし、表層的な情報かもしれないが、観光客として感じたことを東京、ロンドン、そしてコペンハーゲンの3首都を比較して簡単に。

[Free WiFi]
東京だけでなく、日本に居る間はずっとイライラさせられたのは、Free Wifi。接続が極端に少ない、というかほとんど無いに等しいと思った。

 東京に居る間、そしてロンドンに戻ってから直ぐにこれを書いていたら東京への不満だけになっていたと思う。しかし、戻ってから、「そう言えば、昨年9月にロンドンで会った友人夫妻は、ホテルの外ではロンドン市内でWiFi接続が難しい」といっていたことを思い出した。また、コペンハーゲンでも街中でWiFiを見つけられることはほぼなかった。

 ロンドンは暮らしているからこそ、特定のある場所に行けばFree Wifiがあることを知っているので強く不便さを感じることはない訳で、一方的に東京だけがFree WiFi不毛の首都ではないことは理解した。

 ただ、それでも不満はある。例えば羽田空港。2014年の帰国時、MacBookでの接続に全く問題なかったので今回も心配していなかったのだが、スマフォでの接続はラインが弱くてほぼ使えなかった。コペンハーゲン空港も同様にとても利用のしがいがなかった。逆に接続に全く苦労しないのはヒースロー空港、そして首都ではないが、四国の松山空港のFree WiFiの手続きの簡便さ、そして早さはとても重宝した。

 東京で「Free」WiFiを使える場所として素晴らしかったのは、幾つかのホテル。全てのホテルを試せることはもちろんできない。が、国際観光都市、商業都市としての東京を代表するホテルとして必ず名前が挙がるホテルでは、ラウンジに居るだけでWiFiの利用は無料。そんな理由で人が大量に押し寄せたらホテルは困るかもしれないが、ホテルのロビーで寛ぐのは無料(のはず)だし。一応、カフェでお茶やケイキを頼んだが。

 日本の携帯・電信系の会社に望むことはただ一つ。無料でなくても良い、料金を払うので、東京滞在中にパッケイジ料金でWiFi接続ができる商品を開発、オンラインで販売して欲しい。モバイル機材を予約したり、どこに行けばWiFiがあるのかと街を歩き回る徒労感に苛まれるのは限られた時間の浪費と感じる。

[インターネット予約]
友人達からは、「ではの守にならないように」とことあるごとに諭される。でも、これだけは言いたい。日本の企業は、イギリスの企業を見習って、顧客側がリスクをとらなければならないことを顧客に教育するように、と。

 今回予約する時点でかなり英ポンドが高かったので、日本国内移動の飛行機はオンラインで予約した。予約が終了した時点で、数分後にはPDFファイルで顧客が自分の責任で印刷するオンライン・チケットが届くのかと思った。待てどくらせ届かない。

 仕方なく明くる日、日本に電話して判ったのは、予約完了のメイルが届かなかったのはもしかしたら何らかの通信齟齬があったのかもしれないが、通常、PDFファイルは送らないで、改めて照会番号やパスワードをある特定のペイジで入力してから印刷できると言われた。

 なんて、面倒くさい。

 航空会社以上に腹が立ったのがJRの切符をオンラインで販売する会社。この会社、海外からの直接購入があることは考えていないのだろうかと。住所登録は日本の住所のみだけでは飽き足らず、悪戦苦闘の末に予約完了して画面に映ったのは、「予約完了のメイルは送りません」ので、照会番号を書き残しておくか、直ぐに印刷するようにと。

 日本ではどうだか知らないが、家庭でプリンターを持っている人がどれだけ居ると思っているのか。それとも、日本で予約する人はだいたい働いている職場で予約して印刷するものと思っているのだろうか。この時点で、日本国外からの予約をはなから予想していないと確信した。

 さらに。東京駅でJRパスを交換して、ではオンラインで予約したチケットを受け取ろうと思ったら、「ここではできません。この先のみどりの窓口へ行って受け取ってください」と。何故?同じJRじゃないのか?

 ちなみに、羽田空港でのJRパス交換窓口の対応も、大幅に改善して欲しい。珍しくBAが定刻よりも早く到着したので、交換したら直ぐに都心にでて食事だと思った。羽田空港内のJR窓口には、開業時間を前にして長蛇の列。JRパス、儲けにはならないのだろうけど、あれでは日本滞在の出ばなをくじかれると思う。

 話を戻して。オンラインで予約が終了した時にカードでの支払いは完了したものだと思っていた。ところが、みどりの窓口に行ってオンラインで予約した切符を受け取る時に判ったのは、カードは登録されただけで支払いはされていなかった。これが為替が予約時より£高に流れていたら不満はないが、この時点で予約した時よりもかなり円高になっていた。どうしてこんなにぎりぎりまでリスクをとろうとしないシステムなのか。

 滅多に使わないが、愛憎をこめて、日本のシステムのなんと「ガラパゴス」なこと。イギリス「では」、例えば鉄道の切符をオンラインで予約/支払いが完了すると、ある会社は即座にメイルでPDFファイルのチケットを送付。印刷するのは顧客がすること。別の会社はメイルで送られて来る照会番号と購入に使ったカードで乗車する前に駅で自販機から自分で発券する。

 意地悪な見方なのかもしれないが、日本の企業の姿勢は、「顧客にリスクをとらせないことで、自分たちがリスクに晒されるリスクを減らす」。ある旅館で、ポットから湯がでない理由がしばらく判らなかった。まじまじとポットを見つめること数分、もしかしてこの「解除」ボタンを押すのだろうか。子供がやけどしたら訴えられることを恐れているのだろうとは思った。

 それでも思う。顧客だってリスクをとらなければならないことを教えるのは、企業の義務であると。それが日本では強く感じられない。

 最後にこれは特筆したいこと。それは、日本は働く皆さんの志によって維持されている社会なのだなと。オンライン予約のシステムにはイライラするだけだったが、窓口で働く皆さんの対応の素晴らしいこと。あれでは、フロントで働く皆さんが疲労しても、全く不思議に思わない。

[航空会社のマイレイジ]
会員登録をしているのがBritish Airwaysなので、メンバーシップのレヴェル維持の為のポイント獲得とマイレイジ獲得の為に、同じワン・ワールド日本航空をできるだけ使うようにしている。これが素晴らしい。マイレイジは大したことはないのだが、メンバーシップ・ポイントのTier Pointの加算がBAよりもずっと太っ腹。羽田・松山往復のポイントが、例えばロンドン・ベルリン往復と同じ。イギリス国内の移動に飛行機を使ったことないが、あのようなポイントがつくとは到底思えない。加算ポイントについては、今回は、日本航空の圧勝。

[都市観光の費用]
これは、コペンハーゲン。東京とロンドンに比べたら、都市自体の規模は小さいだろうし、観光施設の数はもしかしたら両都市との単純比較では少ないのかもしれない。それを差し引いても、コペンハーゲン・カードの便利なこと。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2599.html

 上記のポストに書いたように、指定した時間内であれば多くの美術館や観光施設のみならず、公共交通機関の運賃も免除になる。海外では目的以外のことで省略できることはできるだけ省略したいので、コペンハーゲン・カードのおかげで通貨交換の面倒を省けたのはとても助かった。

[食事]
東京。

 最近になって、日本はヴェジタリアンに優しくないという文句が海外のヴェジタリアンから寄せられているとか。だったら来なくていいよ、といえるほどの理論武装をしましょう。たまに来るだけの旅行者が言い流すことに翻弄されて、右往左往する必要はない。必要なのは、ヴェジタリアン向けにこのようなことはできます、そして料金はいくらですとしっかり伝えられる弾力性のある、臨機応変なコミュニケイションの技術と経験。

 日本人が好きなパリ。ヴェジタリアンにとって悪夢のような街。だからといって、パリに行くのを止める菜食主義者が居るだろうか。パリと比べれば、菜食主義者にとって日本での食材の選択の豊富さは素晴らしいと思う。

[バリア・フリー]
ロンドンは特に地下鉄へのアクセスが運動障害のある人には難しい。この点も愛憎混じりあった感想になるが、東京を観て回って感じるのは、例えば車いすの利用者が東京を観光しようと思っても、可能であるとはまだ思えない。

 自転車利用者の意識の高さは、コペンハーゲンがダントツ。東京、ロンドン、そして「京都」、どうして死者が出ないのか本当に不思議でならない。

 京都や東京では、自転車用のレインと歩行者が歩く部分がわけられている。しかし、歩行者が自転車レインを歩いていればサイクリストは邪魔に思うだろう。コペンハーゲンでは、自転車用のレインにサイクリストが居ない時に、そこを歩いている歩行者は居なかった。住み分けの意識がしっかり浸透している。

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