LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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女王のカリスマ、ブッシュの憂鬱

2007.05.08
現在、イギリス人が北米に初めて入植して400年の記念の年、ということでアメリカ東海岸を訪問中のエリザベス女王と旦那のフィリップ殿下。先週末と今日の新聞では、女王を迎え入れる側の奮闘振りが事細かに報道されていました。女王を丁重に扱うことは、社会にとって大切なのかどうか、という議論は置いておくとして、面白いです。
 いつだったか思い出せませんが、イギリスのメディアが女王の特異、もしくは得意な点を挙げていました。どんな人でも、ひとたび女王の前に立つと、だれかれなく舌がもつれてしまう。女王はそんな才能を兼ね備えているとのことでした。また、女王を迎える側の鉄則の一つ、恐らく多くのアメリカ人にとって「拷問」とも思えるだろう難しいことは、彼女に触れてはいけない。握手も、女王が手を差し伸べたらで、自ら女王に握手をしてはいけない、ということ。
 で、イギリスのメディアが面白がっているのが、ブッシュ大統領の憂鬱。国賓として迎えている女王夫妻にホワイトハウスで晩餐を用意しなければならない。しかも、男性はホワイト・タイの着用が必須。これにブッシュ大統領は全くのり気でない、と。彼としては、自分の本拠地テキサスの牧場で、というのが本音だそうです。彼を説き伏せたのは、ローラ夫人。晩餐に関わるすべてを彼女がコントロールするらしいです。だからと言って、ブッシュの憂鬱が減ることはなく、逆に大変だそうです。何故なら、彼は食べるのが早い上に、以前、国連のパーティーでしでかしたそうですが、水をグラスに注がずに、瓶から直接飲む、ということをよくするそうです。更に、ドイツのメルケル首相には、会議の席上で、彼なりの親愛表現として、彼女の肩をもんだことがあるそう。要するに、エリザベス女王にしてはいけないことを、ブッシュはいつもやっている、と。
 ということで、ホワイトハウスでは、非公開のエチケット・ブックを職員に配布したそうです。つい先日公開された故レーガン大統領の日記の中には、チャールズを迎えたときの失敗が記されていたそうです。チャールズ皇太子の前に置かれたティー・カップには、ティー・バッグが入っていたそうです。それを見たレーガン大統領は、日記のそのときの心境をこう記したとか:Horror of horrors。

 日々の暮らしに追われている、毎日命を守るだけで一日が終わるような生活を送っている人々のことを考えれば、何をくだらないことを、と考える人々もたくさん居るでしょう。でも、最近の生活の中で、僕なりに親しみを感じていた「イギリス」らしさが毎日の生活から消えていく中で、エリザベス女王の存在が、イギリスのアイデンティティを必死に守っているという印象を受けます。それに、彼女は別に華美な生活をすすんでやっているわけでもない、ということを改めて、昨日知りました。
 添付の写真、ユーラシア大陸をまたにかけて、元同僚のITのスペシャリストに頼んでファイルにしてもらって送り返してもらったものです。勿論、違法コピーです。
 今回の訪米をいい機会として、女王、及び、バッキンガム宮殿は、Vanity Fair誌などで知られる写真家、Annie Leibovitzが女王の肖像写真を撮影することを認めました。最初に一般公開されたのが、先日送ったちょっと寂しげなものです。で、昨日公開されたのが、添付のもの。
 昨日の新聞で見たとき、「UK」という言葉が自然に頭に浮かびました。濃紺のケープを纏い、翳り行く嵐の空の下、バッキンガム宮殿の庭にすっくと立つ女王。僕にとって、ケイト・モスなんて100年掛かってもこんな雰囲気を醸し出せないと思うほど、完璧に「イギリス」でした。実際の所、背景は合成だそうです。感心したのは、エリザベス女王が纏っているケープは、1968年に、セシル・ビートンが42歳の女王を撮影した時に女王が着たものを、再び使ったんだそうです。勿論、女王自身が、このケープを箪笥に入れて保管していたわけではないでしょうけど、ものを大切にするとよく言われる女王らしいな、と思った次第。



 長くなってしまったので手短に。デンマーク、スペイン、オランダのそれぞれの皇太子妃、無事に出産。3国とも、女の子。スペインは、王位継承問題、どうするんでしょう。それと、スペインの皇太子夫妻、将来の為に、ソフィア王女のさい帯血を保存したそうです。記事の中で紹介されていましたが、何でも、世界で保存されているさい帯血のうち、10%はスペインが占めているそうです。TheQueenByAnnieLeibovitz

Comment

国のトップでも食事のマナーは根付かない? - くみ

アメリカの食文化を調べた時に、とにかく開拓の一日の最後にとりあえず食べられるものということで、肉を焼いて食べるだけ・・というのがありました。
テキサス出身だからというのは、関係なく、アメリカの人の食事のマナーはあまり期待するものではありませんね。
でも、一国の2世大統領にして、まだそういうディナーにも慣れていないのでしょうか?

無駄だと思われることにも時間や手間を掛けることが、文化の象徴だと思います。
日本の文化にも通ずる「無駄」な作法が、伝統を支えるのではないか。
何でも合理的で、商業主義でアメリカナイズされていれば、素敵なのではないと私は思います。
2007.05.07 Mon 21:04 URL [ Edit ]

- 森羅

合理的に行かない所が自然だと思います。
2007.05.11 Fri 07:58 URL [ Edit ]

この写真は - guccie

映画Queenでヘレン・ミレンが演じたエリザベスのイメージが、これじゃないでしょうか。
2008.10.23 Thu 01:29 URL [ Edit ]

- 守屋

guccieさん

 僕はその映画を観ていないのでなんともいえませんが、本人のほうが強力なのではないかと思います。それにしても、こんなケープが欲しいです。
2008.10.23 Thu 21:03 URL [ Edit ]

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