LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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イギリスを切り売りするのは政治家:多国籍企業が隅々に

2016.08.07
10日ほど前、ガーディアンのあるコラムのヘッドラインが目に留まった。

Sovereignty? This government will sell us to the highest bidder
https://www.theguardian.com/commentisfree/2016/jul/27/sovereignty-corporations-liam-fox-eu

 本文は、コラムニストによるリアム・フォックス国際貿易大臣(とでも訳すのか?)がイギリスを欧州連合の縛りから解放することにより、イギリスという国が国内に保持するありとあらゆる「資産」を世界中で、最も高い価格で競り落とす企業に売り払っていくだろうというもの。

 本文中に固有の企業名はでていないが、真っ先に浮かんだのはこのコラムが掲載された数日後に建設計画の最終調印が、メイ政権によって突然延期になってヒンクリィ・ポイントCの原子力発電所建設計画。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2724.html

英の原発計画、中国参画に「待った」 メイ政権が再検証
http://www.asahi.com/articles/ASJ824RWGJ82UHBI00Z.html

 ヒンクリィ・ポイントで問題なのは、建設を進める企業がフランスのEDFだけでなく、中国の投資グループが深くかかわっていること。また、イギリス国内の原子力発電所建設計画には、日本の企業も参画している様だ。

英国の原発建設に逆風 東芝や日立のプロジェクトに影響も
http://www.sankei.com/life/news/160630/lif1606300023-n1.html

 ヒンクリィ・ポイントは中国がかかわるから疑問が残るのであって、多国籍企業による事業運営の全てが悪影響を及ぼす訳ではない、との見方もあるかもしれない。しかし、例えばイギリス国内の鉄道会社の運営を観ていると、多国籍企業によるイギリス国内の利用者を無視した問題が多い。組合との交渉が決裂して、ストライキが多発しているサザン・レイルウェイを所有するGOVIAの親会社は、フランス鉄道大手のKeolisという会社。サリィに住む友人によると、ゴヴィアがサザン・レイルウェイの運営権を獲得してからサーヴィスの低下が顕著とのこと。ゴヴィアから運営の権利を剥奪すべきではとの議論がでている。

Govia faces fresh calls to be stripped of Southern rail contract
http://www.telegraph.co.uk/business/2016/06/20/govia-faces-fresh-calls-to-be-stripped-of-southern-rail-contract/

 イングランド内の鉄道路線を運営しているのは海外の多国籍企業だけではない。スコットランド(イギリスの一部だが)ん本拠地があるファースト・グループはロンドン・バディントン駅からイングランド西部への鉄道網を運営しているだけではなく、アイルランドやカナダでも鉄道網の運営をになっているそう。地元の企業だと思っていたら、地球の反対側の国で別の名前で業務をしているというのはグローバライゼイションの社会では、驚くことではない。

 毎年1月2日に大きな話題になるのは、鉄道料金の大幅な値上げ。イギリスに本拠地を置いていない多国籍企業は、本国に利益を還元する為に、イギリス国内の鉄道料金を本国ではしないような値上げをしている、という批判は毎年メディア上で議論されている。

 別の例。リヴァプールの税務署で働く清掃員は、現在、デンマークが拠点の多国籍企業によるアウトソーシング契約になっている。キャメロン政権の末期に導入されたNational Living Wages政策による出費を企業が避けたいばかりに、清掃員の実働時間が削られ、その結果、もともと低所得の清掃員に支給されていた税金優遇の福利も失ったという報道。

HMRC cleaners striking over pay: 'They've treated us appallingly'
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/jul/28/hmrc-cleaners-striking-over-pay-national-living-wage

 多国籍企業の本領発揮と同時に、国の税金を管理する税務署の清掃員の生活を多国籍企業に売り払うイギリス。国民の幸福度調査では上位常連のデンマーク。こんなことを自国の企業が他国でやっていることを知っているのだろうか。

 経済の専門家ではないから深い所まで理解できないが、リスク分散の為に企業は多国籍化するのかなとは思う。しかし、ヒンクリィ・ポイントや鉄道運営会社の利用者無視の運営方法を知るにつけ、利益を確保する為に清掃員の実働を2時間減らすことを全く厭わない多国籍企業の市場支配ににつけ、多国籍企業の責任の所在の不透明さの影響に悩まされるのは、常に末端の利用者のように思えてならない。このような状況はイギリスだけとは思わないが、金融市場の有益性という資産しか持たないイギリスでは、市民生活に直結する公共サーヴィスを運営する企業の多国籍化は問題が起きても泣き寝入りすることが多くなるのではないかと思う。

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