LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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ミックス・ビル:ロイヤル・バレエ

2017.06.02
5月25日、ロイヤル・バレエによるミックス・ビルを観てきた。

The Vertiginous Thrill of Exactitude / Tarantella / Strapless / Symphonic Dances
http://www.roh.org.uk/mixed-programmes/the-vertiginous-thrill-of-exactitude-tarantella-strapless-symphonic-dances

The breathtaking skill and artistry of the dancers of The Royal Ballet are the driving force of this mixed programme, which includes two miniature masterpieces from William Forsythe and George Balanchine, the first revival of Christopher Wheeldon’s narrative ballet Strapless and the world premiere of Symphonic Dances, a new abstract ballet by Liam Scarlett.

The title of Forsythe’s The Vertiginous Thrill of Exactitude says it all – a breathtaking, blistering work set to the final movement of Schubert’s ‘Great’ Symphony, in which the musicality and technique of the five dancers are pushed to their limits. There’s the same sense of virtuoso display in Balanchine’s Tarantella, a pas de deux bursting with wit and swagger. Wheeldon’s Strapless explores hypocrisy, ambition and desire, and features a brilliant ballerina role at its centre; The Guardian called it ‘a superb piece of stagecraft’ at the 2016 premiere. Closing the mixed programme is Symphonic Dances, a new abstract work from Liam Scarlett, Artist in Residence at The Royal Ballet and a choreographer in demand around the world.


スクリーンショット 2017-06-02 16.07.02

ロイヤル・バレエのフリッカー
https://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/albums/72157682069142070/with/34750710345/

 ウィリアム・フォーサイスの「精密な不安定なスリル」が上演されるのは、10年以上ぶりではないかと思う。僕が観た25日で15回目の上演。故ロス・ストレットン氏が監督だったときかな。前回、僕が観た時は吉田都さんが爽やかな笑顔で踊っていたはず。吉田さんがフォーサイスを踊るという意表が新鮮だった。

 15分間というとても短い振付だが、ダンサーの皆さんへの体力、そして技術の負担はかなりのものだと思う。始まってすぐ、5人が並んで踊っている時に、マックレィムンタギロフの動きがシンクロでも、ミラーリングでもなかったように見えたので間違ったのかと思いつつ。でも、フォーサイスの振付だとたとえ間違いだったとしても、自信を持って間違いだと指摘できない振付なのがフォーサイスらしいなと。

 マックレィ、そして高田茜さんはフォーサイスを踊っても違和感ないだろうと思っていた。意外だったのは、ヌニェスムンタギロフ。いい踊りだった。どこかの批評で、「ムンタギロフは何を踊ってもプリンスのよう」というのは的確な表現だと思う。

 「タランテラ」がロイヤル・バレエのレパートリーに入るのは今回が初めて。たしか、数年前の何かのガラ公演で、マックレィと誰かが踊ったのを観たことがある。溌剌とした踊りで目に爽やか。僕にはそれ以上でも、それ以下でもない振付。

 世界中で人気の「アリス」、そして「冬物語」のときからずっと思っていて、今回もまたその思いを強くしたのは、ウィールドンが「ナラティブ・バレエ」と強調する振付は、僕が観たいバレエではない。

 「ストラップレス」は、昨秋の世界初演の時は散々な結果に終わり、批評を読むと今回のために手を入れたらしい。しかし、バレエでもなければ、良質のダンス・シアターでもないもとても中途半場な舞台。物語をなぞるだけの振付は、僕は「ナラティヴ」ではないと思う。

 余計なこと。準主役の医者の役を踊った平野さんのメイク。数年前のユーロヴィジョンで優勝したコンチタ・ヴルストのようだった。

 リアム・スカーレットが6月7日の舞台でロイヤル・バレエから引退するゼナイダ・ヤナウスキィのために振り付けた「シンフォニック・ダンシズ」。ネガティヴなことから書くと、ラフマニノの音楽を活かすためだったのかもしれないが、長かった。中盤の男性コールドの部分が半分だったら、集中力は途切れなかっただろう。

 ウィールドンとの差をはっきり感じたことは、物語のないモダン・バレエと観られるであろう「シンフォニック・ダンシズ」の方が、饒舌に物語っていた。ヤナウスキィの存在は、あたかもギリシャ神話のアモラルな女神のよう。クレジットから察すると脚本は無いようだが、始まりから終わりまで舞台の上では忘れられていた神話が現代に蘇る、そんな雰囲気を強く感じることができた。僕には、物語がなくても、結果としてドラマになる振付の方が「ナラティヴ」。

 ヤナウスキィの引退後、ロイヤル・バレエのアクター・バレエ・ダンサーは、エドワード・ワトソンだけくらいかな。それほど、ヤナウスキィの存在は、ロイヤル・バレエという技術的なバレエより、ドラマを舞台に立ち上がらせるバレエ団の中ではダントツの存在。

 今夜から始まるアシュトン・トリプル・ビル

http://www.roh.org.uk/mixed-programmes/the-dream-symphonic-variations-marguerite-and-armand

 「マルガリートとアルマン」を選んだのはカンパニィだろうし、それを最後の舞台にしたいのはわかる。でも、これ、個人的にはそれほど好きな振付ではない。ギエムが踊った時ですら、振付に強く惹きつけられなかった。もはや叶わない希望であることはわかっているが、ヤナウスキィには、同じアシュトンなら「エニグマ・ヴァリエイション」で最後の美しさを見たかった。あの振付での、感情の細やかな機微を鮮明、そして豊かに描き出せる彼女の踊りを再び観たかった。ファンの無い物ねだりは世の常。

ヤナウスキィの舞台の感想
田園のひと月
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2355.html

ウォーム・アップ・クラス
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-735.html

ラ・バヤデール
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-563.html

ニンバス
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